2009 Fiscal Year Annual Research Report
RNPナノ構造体の分子設計による機能性分子の新規創製
Project/Area Number |
09J05262
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大野 博久 Kyoto University, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 分子設計 / RNP / L7Ae-BoxC / D / 原子間力顕微鏡 / ナノテクノロジー / ドラッグ・デリバリー・システム |
Research Abstract |
タンパク質あるいは核酸単独では困難な、分子設計による機能性分子の構築を行うため、設計の容易なRNAと機能性に富んだタンパク質を組み合わせて機能性分子を創製することが本研究の目的である。その第一歩として、まずは機能を持たないナノスケールの構造体を、RNAとタンパク質(RNP)を材料として設計・構築した。RNPモチーフ、L7Ae-BoxC/Dを利用した正三角形構造体である。ゲルシフトアッセイおよび原子間力顕微鏡による観察で、設計通りの構造体形成が確認できた。また、この三角形構造体のRNA部分を変更し、より大きな三角形構造体も設計・構築した。こちらも、設計通りの構造体形成を確認でき、RNPの長所である核酸の設計のしやすさを示すことができた。これらの成果をもとに、現在、より複雑な三次元的な構造体の設計を行っている。これらのナノスケール構造体の構築に成功すれば、分子設計におけるRNPという新たな材料の有効性をさらに示すことになり、機能性分子の新規創製への道が広がると考えられる。 また、L7AeとEGFP(緑色蛍光タンパク質)の融合タンパク質を用いることで、上記三角形構造体にEGFPの機能を持たせることにも成功した。これは、様々なタンパク質の機能を三角形構造体に付与できることを示唆している。この三角形構造体を母体として、三つの異なる機能を併せ持つ複合体を実際に作製し、ドラッグデリバリーシステムに応用する試みも協同研究として行っている。このように、本研究で設計・構築するナノスケール構造体は、現段階では機能を持たなくとも、容易に機能性分子作製の基盤になりうると考えられる。
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Research Products
(1 results)