2009 Fiscal Year Annual Research Report
複合的MRI情報を考慮したEEG空間フィルタに基づくBMIシステムの構築
Project/Area Number |
09J05335
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
笹山 瑛由 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ブレイン-マシン・インタフェース / 脳波 / 磁気共鳴画像法 / 信号源推定 / 空間フィルタ |
Research Abstract |
手足が麻痺するなど、運動機能に重篤な障害を持つ患者を対象とした脳・機械間インターフェース(BMI)の研究が近年盛んに行われている。従来のBMI研究は、機械学習により動作するものがほとんどで、大半が多チャネル脳波計測を要する。この場合、脳波電極装着までに時間を要し、対象者に大きな負担となる。計測チャネル数を少なくしたBMIも報告されているが、そのチャネルの最適性が示されていないなどの問題があった。そこで、脳波計測のみでは最適な位置を検討するには限界があるため、本研究では別の非侵襲的計測法である磁気共鳴画像法(MRI)を用いることで、各個人毎に最適な空間フィルタを作成し、必要なチャネル数を減少させることを目的とした。MRIを用いて賦活部位を特定する前に、被験者は予め十分訓練することが望ましく、その訓練用のシステムを構築する必要がある。従来法では、個人毎に同定したβ律動の周波数帯域が通過するバンドパスフィルタ(BPF)を設計し、そのBPFを通過後の信号を用いて識別をしていた。本年度は包絡線及び包絡線の差分信号を用いることで、その識別の正答率の向上を図った。また、これらの処理をリアルタイムで行うシステムを設計し、次年度以降の計測に向けた準備を行った。一方、信号源推定について、各個人毎の実頭部ボクセルモデルを用いることで精度向上を図っている。モデルをMR画像より作成する際、従来はノイズ閾値を手動で決定していた。本研究では、ノイズ分布を推定することで客観的に閾値を設定する方法を提案した。さらに、得られた実頭部ボクセルモデルを用いて、大脳皮質中に配置した等価電流双極子と頭皮上電位との関係を表すリードフィールド行列を作成し、信号源推定の準備を行った。また、そのボクセルモデルおよび頭部電位分布を三次元で表示するためのプログラムを開発し、研究会や国際会議等での発表に用いている。
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Research Products
(6 results)