2009 Fiscal Year Annual Research Report
環境ストレス応答性転写因子DREB2の高温ストレス下における発現制御機構の解明
Project/Area Number |
09J05337
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 拓実 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 植物 / バイオテクノロジー / 遺伝子 / 発現制御 / 環境 |
Research Abstract |
環境ストレス応答に重要な転写因子DREB2Aは、自身の発現も環境ストレス応答性であることから、DREB2Aを制御する因子が存在することが予想されていた。そこで、本研究ではDREB2Aの発現制御機構を明らかにする事を目的に研究を行っている。これまでに、GUS遺伝子にDREB2Aプロモーターを結合させたレポーター遺伝子をシロイヌナズナに導入したものを用いた解析からHSE配列が重要であることがわかっていた。HSEは高温ストレス応答に重要とされるシスエレメントで、HSFにより制御されることが知られている。今年度は、どのHSFが実際にDREB2Aプロモーター中のHSEに作用し、遺伝子の発現を制御しているかを調べるために薬肉細胞を使用した一過的遺伝子発現系、公開されているデータベース及び定量的RT-PCRを用いたHSFの発現パターンの解析、上記2つの解析により可能性の高いHSFを過剰発現させたシロイヌナズナの解析、そしてHSFの破壊株を用いた解析を行った。一過的遺伝子発現系ではDREB2Aプロモーターを活性化するHSFが数種類見つかった。また、HSFの発現パターン解析によりいくつかのHSFは恒常的な発現をすることがわかった。DREB2Aプロモーターを活性化し、DREB2Aの発現より前の段階から遺伝子が発現しているHSFに注目して解析を進めた。これらのHSF過剰発現シロイヌナズナを用いた解析ではDREB2Aの発現が上昇しているものは見つけることができなかった。また破壊株を用いた解析でも一つのHSFを破壊するだけでは、DREB2Aの高温ストレス誘導に明確な変化が見られるものはなかった。HSFは21種あり、構造的にアミノ酸配列の相同性が高いものも存在することから、一つのHSFを過剰発現もしくは破壊するだけではその機能を解析するには不十分であると考えられる。
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Research Products
(2 results)