2010 Fiscal Year Annual Research Report
農村におけるソーシャル・キャピタルの役割と地域資源維持管理行動の経済分析
Project/Area Number |
09J05339
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西原 是良 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ストックマネジメント / ネットワーク分析 / 農地流動化 / 農業経済学 |
Research Abstract |
昨年度は調査対象地域の農地の貸借関係を基に社会関係のネットワーク図を作成し、社会関係の可視化の作業を行った。それらの成果を、平成22年4月の農村計画学会にてポスター形式の報告とした。また、ネットワーク分析を対象地域全体へと拡大し、土地改良区管内全域の組合員2299名のネットワーク図を作成した。また、アンケート調査を9月に実施し、地域内の農家1186人から回答を得た。これによって、地域内の農家の属性、水路改修等の維持管理に関する共同活動の実態、そして更新投資への意向などを把握することができた。他にも、7月には地域内の水路管理組織全てを対象とした聞き取り調査を実施し、土地改良区内の水路補修実施過程を分析した。両者から、地域内における水路管理の実態、および共同体の情報伝達経路の分析に成功した。分析結果に関しては、今年度3月の日本農業経済学会で報告する予定であったが、東日本大震災により学会が延期となった。学会規定により、要旨集の発表を持って報告済みの扱いとなることになっている。また、報告の内容は日本農業経済学会論文集に投稿する予定である。 同様に、対象地域の水路の水掛かり関係を基に、別のネットワーク図を作成した。前述の貸借ネットワーク図と比較対照することによって、地域内の情報伝達のキーマンである農家を抽出することができた。この成果は、2011年度農村計画学会秋季大会に報告する予定である。また、抽出されたキーマンを対象としたワークショップを調査対象地域で計画し、その第一回会合を3月に実施した。これは当該地域内における、管理計画の合意形成過程を記録すると共に、9月に行われたアンケートと、来年度ワークショップ後に行うアンケートとの比較を通じて、合意形成の効果、情報伝達を把握することを目的としている。この調査は平成23年度も継続して行う予定である。
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Research Products
(2 results)