2009 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞スフェロイド3次元形成のためのマイクロ空間プラットフォームの開発
Project/Area Number |
09J05340
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
太田 裕貴 Keio University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | micro TAS / bio MEMS / スフェロイド / micro PI / Lab-on-a-chip |
Research Abstract |
シミュレーションをもとにデザインしたチャンバーに細胞懸濁液を還流することで実際にスフェロイドを作成した.その結果,シミュレーション結果を裏付けるようにチャンバー内にマイクロ旋回流が発生し,組織塊(スフェロイド)を形成することに成功した.さらにチャンバー特性に関して検討したところ、このチャンバーはチャンバー径,培養液内細胞濃度を変化させることで,直径130μm~430μmのスフェロイドを作成でき,±15%という高精度でスフェロイドサイズを制御できることが判明した.このスフェロイドを形成する時の流体特性を一般化するためにチャンバー内流体の挙動をCCDカメラとmicroPIV法を用いて計測したところ,スフェロイドが滞留している直径1mmの範囲で流速が0になっている閉空間が形成されていた.この閉空間がスフェロイドを形成し滞留させていることをわかり,チャンバー内流体特性を明らかにした.本年度では,このような,シングルチャンバーに関して検討するだけではなく,還流システムの最適化とアレイ化にも挑戦し,本デバイスによる長期培養(80%以上を数日間チャンバー内に培養)と一括大量処理(15倍)を可能にした.さらに,来年度のスフェロイド機能測定(EROD法)と酸素測定法(りん光寿命法)も構築し終わっており.今年度の研究計画も順調に遂行出来るものと考えられる. 以上,本年度の結果はプラットフォームの基盤となるものであり,今後システムとして完成させるために必要不可欠な成果である.申請書に記載した実験実施計画では2009年末に機能測定をする計画が記載してあるが,研究を効率化させるためにアレイ化を優先させて行った.そのうえで,確立した計測法を用いてスフェロイドの肝機能測定を来年度の前半に行い実験実施計画に準じて研究を遂行する予定である.
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