2011 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内複数シグナルの相関解析に寄与する機能性マルチカラー蛍光プローブの開発
Project/Area Number |
09J05388
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梅澤 啓太郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 蛍光プローブ / ケミカルバイオロジー / バイオイメージング / 近赤外 / バイオ分析 |
Research Abstract |
本研究では、細胞内複数シグナルのイメージングを達成するために、生物学(蛍光タンパク質やタンパク質タグ)および化学(有機蛍光プローブ)によるアプローチの双方を取り入れ、生物学と化学の双方の技術が融合した新しいバイオイメージング手法を提案した。そのための手法として、これまで有効に活用されていなかった長波長領域(600nm~)を網羅する有機蛍光色素団を設計し、その蛍光団に目的物質を認識して蛍光応答を変化させることのできる機能を付与し、新規機能性蛍光プローブを開発、複数シグナルの可視化を達成することを目標とした。 これまでの研究の結果、測りたいターゲット、求めている機能を実現するための蛍光プローブの設計と開発に成功した。まずは、細胞内の重要な機能を担う一旦となっているカルシウムイオン(Ca2+)に焦点を当て、近赤外領域でカルシウムイオンを可視化できる新規機能性蛍光プローブの開発に成功し、細胞内でのマルチカラーイメージングを達成した。また、細胞内pHに応答する波長変化型蛍光プローブの開発にも成功し、細胞内での微小なpH変化をモニタリングすることにも成功した。さらに、紫外光励起-近赤外発光を示すユニークな蛍光プローブの開発にも成功し、細胞内でのCa2+/アルブミンの一波長励起マルチカラーイメージングを達成した。 それ以外にも、海外研究活動の一環として、遺伝子発現させたタンパク質タグへの局所ラベル化が可能な蛍光プローブの開発を行った。その結果、赤、近赤外蛍光を持つ細胞膜透過性の細胞内局所ラベル化用蛍光プローブの開発に成功し、さらに生細胞での超解像顕微鏡イメージングへの応用にも成功した。 これらの結果より、当初の目的であった生物学と化学を融合させた新しい蛍光イメージングのための蛍光プローブの開発を達成した。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Visualizing Biochemical Activities in Living Cells through Chemistry2011
Author(s)
Luc Reymond, Grazvydas Lukinavicius, Keitaro Umezawa, Damien Maurel, Matthias Brun, Anastasiya Masharina, Karolina Boikowska, Birgit Mollwitz, Alberto Schena, Rudolf Griss, Kai Johnsson
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Journal Title
Chimia
Volume: 65
Pages: 868-871
DOI
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