2009 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュを用いた脊椎動物尾芽伸長に関する分子機構の研究
Project/Area Number |
09J05407
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
矢部 泰二郎 National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities, 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 特別研究員(PD)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 尾部形成 / 尾芽 / wntシグナル / トランスジェニックフィッシュ / 未分節中胚葉 / 転写因子 / 細胞分化 |
Research Abstract |
脊椎動物の尾部は原腸陥入終了後に体軸の最後方に形成される尾芽と呼ばれる組織から形成される。尾芽は脊索、未分節中胚葉、神経板の前駆細胞を含み、一定量の未分化細胞を維持しつつ、体幹部後方に分化した組織を付け足しながら徐々に尾部を形成していく。本研究ではこの様な、尾部の形成機構を前駆細胞の未分化性の維持と分化という観点から理解する為に以下の実験を実施した。尾部の未分節中胚葉前駆細胞の未分化性の維持にはwntシグナルが重要な役割を果たす事が知られている。しかしながら、その様なwntシグナルの脊索や神経板の前駆細胞に対する作用はほとんど知られていない。 この点を明らかにするため、gal4-uasシステムを用いてwntシグナルの活性を人為的に操作できる遺伝子組み換えゼブラフィッシュを作製した。これにより、形成過程の尾部におけるwntシグナルの役割を時間、空間的に解析する事が可能になると期待される。 また、尾部形成は尾芽における未分化性維持と分化誘導のバランスによって為されており、尾部形成を理解する上で分化機構を理解する事も重要であると考えられる。本研究では、未分節中胚葉の分化機構に注目し研究を行ったところ、2つの転写因子spadetail、mesogeninがゼブラフィッシュの尾芽内において未分節中胚葉の分化に重要な役割を果たしている事が明らかになった。今後これらの転写因子の機能や発現制御機構の詳細を解析する事により、尾芽内での未分節中胚葉の分化機構をより深く理解する事が可能になると期待される
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Research Products
(1 results)