2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J05423
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
厳 槿宣 横浜国立大学, 工学府, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 二次元通信 / フリーアクセスマット / ウェアラブルデバイス / 非接触電力伝送 / シート状導波路 |
Research Abstract |
多数の無線機器が混在する室内無線環境においてお互い干渉し合うことが問題である.無線機器の移動の自由度は残したまま,電磁波が届く範囲を限定し干渉の影響を除去したいという要望が増えている.そこで本研究は,電磁波を面内に閉じ込めるシート状導波路を提案し,その原理の解明と応用法の開拓を目的としている.マイクロストリップ共振器を二層構造で互い違いに電気的に強結合させる構造で薄いシート構造を作成し,シート上の任意の場所で他の共振器に結合できる一次元または二次元の低損失導波路が構成できることを示している.他の共振器がマットの近傍に存在するときだけ強い結合が得られるため面に沿った通信を可能である.電磁波の結合に専用の装置を必要としないため,携帯機アンテナ検査用パッド,UHF帯RFIDリーダアンテナ,無線LAN用のマットといった二次元通信を実現する装置が実現できることを明らかにしている.導波路の小型化や2つの帯域を1つの導波路でカバーするための設計法やより均一な電磁界を励起させる方法も示している.導電性の布を材料とすることでフレキシブルな導波路として利便性を高めることが可能である.電磁波を内部に閉じ込めることでボディエリアネットワークにおいて人体の影響を除去し,ウェアラブル導波路にも応用できる.また,提案する導波路は通信用途に限らず非接触の電力伝送にも応用できる.電磁波の閉じ込めがより強い線路状の導波路を用いて実証試験に成功している.外部への電磁波の放射がほとんどないため安全な非接触電力伝送を可能にしている.従来のシート状の媒質に比べ,製作が容易で,非接触で結合でき空間への放射が少ないため安全である点,専用の装置を必要としなくフレキシブルに構成できるため自由度が高い点において非常に優れている.提案する導波路は近距離無線通信において限定された無線通信領域を構成するにもっとも適している導波路であると結論付けることができる.
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Research Products
(3 results)