2009 Fiscal Year Annual Research Report
生体内観察システムによる心血管疾患における白血球遊走過程の解明
Project/Area Number |
09J05437
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
萩田 澄彦 Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 生体内顕微鏡 / 動脈硬化 / 機械的傷害 / 脂肪組織 / メタボリックシンドローム |
Research Abstract |
これまでの研究でワイヤー傷害後の白血球遊走過程の可視化と、酸化ストレスの重要性を明らかにしていたが、実際の生体において重要な役割を果たす血管内皮との関連性や高脂血症などの病態における観察については行っていなかった。そこで昨年度の研究では、ワイヤー傷害に代わる観察可能な新たな傷害モデルを作成し、接着現象の再現性の確認および基礎的な病態メカニズムの解明を目的とした。まず血管内皮を温存した機械的傷害であるカフ傷害モデル、および高脂血症モデルであるアポE欠損マウスについてリアルタイム観察を確立し、目的に応じて動物モデルを選択できるようになったが、それぞれに長所・短所があり、さらに新しい動物モデルの作成を試みた。そこで、近年炎症との関連が指摘されている血管周囲脂肪組織に着目し、血管周囲に他動物由来の脂肪組織を移植するモデルを考案した。このモデルは血管周囲脂肪組織と血管炎症の関連性のみならず、肥満によって腹部大動脈周囲に内臓脂肪が蓄積するメタボリックシンドロームの様な病態を仮定しており、ワイヤー傷害モデルにおいて問題となっていた血管内皮の存在、カフ傷害における観察期間の制限、アポE欠損マウスにおける実験計画の組みにくさといった短所を全て解決出来る動物モデルとして、本研究における動物モデルの中心と位置付け、観察・病態メカニズムの検討を進めている。これまでに時間依存的に白血球の接着が増加する事、移植する脂肪組織によってそれらの作用に差がある事を明らかにしており、さらに血清ELISA解析などによるサイトカインやケモカインの同定、免疫ブロット等による細胞内シグナル伝達や酸化ストレス分子の解析をする事で、メタボリックシンドロームにおける脂肪組織の役割を明らかにする事が出来ると考えられる。
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Research Products
(4 results)