2009 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカツメガエル初期胚におけるSGK1の機能解析
Project/Area Number |
09J05462
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
遠藤 達矢 Kyoto University, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | SGK1 / アフリカツメガエル / アポトーシス |
Research Abstract |
発生過程でのアポトーシスを理解するために、アポトーシスのシグナル伝達分子がどのように制御されるのかを明らかにすることが重要である。私のこれまでの研究で、プロテインキナーゼSGK1が発生過程でアポトーシスを抑制することを見出した。本年度は、SGK1によるアポトーシス制御の分子メカニズムを明らかにするために、以下の(1)から(3)について、アフリカツメガエルを用いてSGK1の下流で働く分子を探索した。 (1)DISCを制御する因子の探索:DISC構成因子はSGK1によって発現が抑制されるアポトーシスシグナル伝達分子である。私はDISC構成因子のプロモーター領域をクローニングし、Smad-binding element(SBE)がDISC遺伝子のプロモーター領域に存在することを見出した。TGFβ/BMPファミリー分子はSBEを介して遺伝子の発現を制御することが知られている。私はBMP7の発現がSGK1によって正に制御され、さらにBMP7はDISC構成因子の発現を抑制することを見出した。 (2)マイクロアレイで発現変化した機能未知遺伝子の機能解析:私が行ったマイクロアレイ解析から、SGK1ノックダウン胚で発現量に有意な差がある機能未知遺伝子の存在が明らかとなった。そのひとつがE3ユビキチンリガーゼのHACE1である。アフリカツメガエル胚でHACE1をノックダウンすると形態形成に異常が生じることから、HACE1はアフリカツメガエル初期発生に必須の遺伝子であることが分かった。 (3)SGK1の基質の探索:DISCを制御する分子BMP7((1)で同定)のプロモーター領域にNFκB-binding siteが存在することを見出し、実際NFκBは生体内でその領域に結合することを示した。NFkBはSGK1の基質となることが過去に報告されており、実際にアフリカツメガエル胚でもリン酸化されるかを調べることが今後の研究課題である。
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Research Products
(1 results)