2009 Fiscal Year Annual Research Report
高精度非干渉動作制御に基づく人と共存するロボットシステムの構築
Project/Area Number |
09J05476
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
境野 翔 Keio University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 加速度制御 / 力制御 / バイラテラル制御 / 運動方程式 |
Research Abstract |
本年度は、人と共存するロボットシステムの構築へ向けた高度な制御手法のための二つの大きな研究成果をあげた。 第一に、斜交座標制御を提案した。本手法では、ロボットに与えられる複雑なタスクを座標変換と捉えることにより、位置と力のハイブリッド制御の問題へと帰着させる。これにより、複雑なタスクを簡単かつ高精度に実現することが可能になる。多自由度ロボットハンドでのバイラテラル制御を実現するうえで、そのタスクやロボット間の動特性による干渉を正確に記述した上で制御しなければならず非常に困難であったが、斜交座標制御によりそのような問題も解決された。現在までに斜交座標制御を用いて、ミクロマクロバイラテラル制御・異構造バイラテラル制御・冗長バイラテラル制御・ポジションリミットつきバイラテラル制御などを実現した。 第二の成果として、一般的なタスクの記述を可能にする新しい運動方程式を提案した。斜交座標制御では、タスクが位置または時間の関数でなければならないという制約があった、これはラグランジュ方程式の座標変換がそのような制約を有することに起因する。より一般的な運動方程式として知られる正準方程式では、座標変換が任意には決められない、座標変換が代数的には与えられない、外力項を記述することが不可能である、といった大きな三つの問題があった。提案運動方程式により、正準方程式の三つの問題点は完全に解決され、任意の座標変換を代数的に実現され、外力項も記述可能になった。提案運動方程式を用いた制御系の実装例として、モバイルハプトを実現した。 本年度の研究内容は、査読付き論文誌に一編が掲載され、査読付き国際会議にて三回発表した。
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Research Products
(6 results)