2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J05499
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平井 悠哉 Kyoto University, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 核マトリクス / 動的核マトリクス |
Research Abstract |
本研究では、核マトリクスの実体解明に向け、核小体内の核酸の中で核小体核マトリクスとして存在するものを決定すること、及び核小体核マトリクスタンパク質の動態解析を行うことにより「動的核マトリクス」という概念を提示することを目的としている。本年度は、おもに機能未知タンパク質のDNAコンストラクトの作製、及びその動態・機能解析を行った。まず、核小体核マトリクスに存在する核酸の配列決定に不可欠な、核小体単離の技術獲得に成功した。また、機能未知である核マトリクスタンパク質であるFAM27E1、MAK16及びWDR46の動態解析を行い、これら3つのそれぞれ異なる動態を明らかにした。また、WDR46のさらなる機能解析を行い、WDR46ノックダウン条件下では転写が促進されること、また、リボソームRNAの初期に切断される部位の量が増加することが明らかになった。さらに、WDR46の全長、N末端領域、中心領域、C末端領域のGST融合コンストラクトを作製し、これらGST融合タンパク質を用いて、ヒストンとの結合実験を行い、WDR46がそのN末端領域及び中心領域でヒストンに結合することを明らかにした。これらの結果に関し、まず核小体核マトリクスに存在する核酸の配列決定は、核マトリクスの実体解明につながること、核マトリクスタンパク質の動態解析は、「動的核マトリクス」の概念提出に不可欠であること、また、核マトリクスタンパク質の機能解明は、核マトリクスの新たな機能解明につながることから、生物学的に非常に意義深いものであり、また新たな概念の提出という重要性を含んだものである。
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Research Products
(3 results)