2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J05518
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福光 剣 Kyoto University, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ヒトES細胞 / 成熟肝細胞 / 肝細胞成熟化 |
Research Abstract |
マウス胎児肝臓に含まれるThy1(+)gp38(+)間葉系細胞は肝前駆細胞を成熟化させる性質を持つが、この間葉系細胞由来の肝細胞成熟化能を有する細胞株を樹立し、これを論文としてまとめて12月に報告した。 また、この細胞株を用いてヒトES細胞由来の内胚葉細胞と共培養することで、成熟肝細胞様細胞へ分化誘導させることを示した。2008年にヒトES細胞をAFP陽性の肝前駆細胞様細胞へと分化誘導する条件を検討し論文として報告したが、この肝前駆細胞様細胞を純化した後、MLSgt20と凝集塊(sphere formation)を形成させる3次元培養を経る事で成熟肝細胞様細胞へと分化させる事ができた。この共培養細胞は肝細胞成熟化マーカーの発現を示すだけでなく、チトクロームP450の活性を認めた。従ってこのヒトES細胞由来成熟肝細胞様細胞は、体外式人工肝臓の細胞供給源として、また創薬支援のツールとしても有用である可能性を示した。 間葉系細胞(初代培養細胞と樹立した細胞株を含む6サンプル)の中で、成熟化能の高いものと低いものをマイクロアレイにて解析し、肝細胞成熟化に係わる因子の候補を選択した。候補として選んだタンパク質の中から、Wntsignalingを介することで成熟化に係わると考えられる因子3つに着目し、in vitro成熟化を促進させる効果を確認できた。これらはin vivoにおいても、ノックアウトマウスにおいて肝臓のphenotypeを示している事が報告されている。肝臓の成熟化に係わる新たなメカニズムが明らかになる事で、ES細胞およびiPS細胞の肝細胞への分化誘導の効率改善に貢献する事が期待される。
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Research Products
(3 results)