2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J05518
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福光 剣 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 成熟化 / 間葉系細胞 / 細胞移植 |
Research Abstract |
肝前駆細胞の成熟化に関し、IGFBP2およびIFBP4とWnt5に着目し解析を進めた。それぞれ肝細胞成熟化マーカーの発現を増強させるが、特にWnt5aは再現性良く成熟化を促進させた。これらより肝細胞成熟化にWnt canonical pathwayの阻害が成熟化に関与する可能性を示した。 また、細胞マウス胎児肝臓内に存在するCD49f(+/-)CD45(-)Thy 1(+)gp38(+)間葉系細胞が肝前駆細胞の成熟化に関与している事が知られているが、この間葉系細胞が発生の過程においてどのような細胞へ分化するかを同定するため、以下の2つの方法を試みた。 まず、E13.5マウス胎児肝臓より分離した細胞を様々な溶液に希釈し、E13.5もしくはE14.5マウス胎児肝臓へ直接注入した後、E20.5にて擬死させて観察した。様々な溶解液、手術方法を比較検討した結果、MatrigelおよびHanks溶液に希釈した場合では約3分の1の胎児は特に障害無く発育させる事ができた。これらの肝臓の組織切片を作成し移植細胞を観察したところ、Hanks溶液が比較的肝臓内に分散して生着する傾向を認めたため、より移植実験に適していると判断した。 次に、間葉系細胞の平面培養による特性解析が困難であったため、より生理的条件が近い3次元培養を試みた。この3次元培養にあたって、3D bio-scaffoldを用いて検討することにした。肝臓細胞成分を除去し細胞外マトリックスのみを残存させた、「鋳型」は、本来の立体構造を保っており、より生理的な細胞培養に適していると考えられる。この細胞成分除去の過程を改良し、一部の成長因子(HGF、FGF2)を細胞外マトリックスに残存させる条件を至適化した。この理想的な立体構造だけでなく成長因子も含んだ3D bio-scaffoldは今後の発生、再生の有用な研究ツールとなりうる。
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Research Products
(2 results)