2009 Fiscal Year Annual Research Report
重力崩壊型超新星爆発における磁気反転層およびジェット形成
Project/Area Number |
09J05519
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
三上 隼人 Chiba University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 磁気流体力学 / 超新星爆発 / 重力崩壊型超新星爆発 / 中性子星 / 強磁場 |
Research Abstract |
平成21年度の主な成果は、現実的な状態方程式を組み込めたことにある。まず、星形成用適合格子法プログラムであるスフマートを重力崩壊型超新星爆発へと適用するため、簡略化された状態方程式を組み込み、多層格子法による過去の結果との比較を行なった。国立天文台のスカラ型並列計算機をを用いて64並列の計算を行い、原始中性子星形成から100ミリ秒後まで磁気反転層やジェトの構造を再現でき、過去の結果よりも後期の爆発過程を評価できるようになった。磁気反転層は原始中性子星形成後50ミリ秒までその構造を保つものの、次第に崩れ反転した磁場が入り乱れることが分かった。また、回転軸方向への螺旋状のアウトフローが確認された。これらの結果を現実的なモデルで検証するため、平成22年度に計画されていた状態方程式の改善に取り組んだ。採用した状態方程式は相対論的平均場近似を用いており、核密度領域において現実的となっている。この状態方程式は密度、温度、電子数比のテーブルデータとして提供されているものの、温度については不等間隔に構築されている。このため、数値補間を行い計算速度の向上に取り組んだ。これにより状態方程式の精密化による計算時間の増加は以前の簡略化された状態方程式に比べて三割程度に抑えることに成功し、数値補間後の状態方程式を用いて、衝撃波管問題が正しく計算できることを確認した。また、低密度領域での電子捕獲とニュートリノ散逸を考慮する事で、重力崩壊から原始中性子星の形成までを安定して計算できることが確認できた。
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Research Products
(1 results)