2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J05531
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中本 龍市 京都大学, 経営管理研究部, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 戦略的提携 / 社会ネットワーク分析 / 基礎研究 / 提携管理 |
Research Abstract |
本年度は、定量的調査と定性的研究を行った。定量的研究として、社会ネットワーク分析の手法を用いながら、医薬品の既存の特許データの分析を行った。研究目的で示したように、組織内と組織外のつながりがいかに組織の成果に影響してくるのかを明らかにするためである。その結果、組織内のつながりが重要であること(特に、他者同士をつなぐ度合いを示す媒介中心性指標や、他者からの自律性の度合いを示す構造的拘束度といった指標が有意に成果に効果を持っていた)、また組織外のつながりが成果に有意に効果があることも示された。つまり、戦略的に外部の資源を活用することが組織の成果に効果をもたらすということが示されたのである。第二に理論研究として、戦略的提携領域における過去からの変化について包括的な先行研究の分析を行い、日本経営学会にて発表を行った。戦略的提携研究の分析単位の変化が明らかに現れていることを示した。つまり、これまで分析単位は、提携単位として研究がなされてきた。社会ネットワーク分析の手法を用いた研究も提携単位の分析視角を元にした研究であるが、近年では個々の企業を分析単位にした研究が蓄積されつつあることを明らかにした。これまで戦略的提携は外部との関係をいかにマネジメントすべきかという観点から研究が進められてきたが、外部の関係をマネジメントするためには内部の組織体制を整え組織能力を蓄積する必要があるという視点の大きな変化である。そこで、第三に、定性的調査も進めたが、企業を分析単位にした調査を実施した。定性研究については、組織内に、提携を扱うための新しいグループや部門が設立される過程を追うものである。質的データであるため、現在サンプル数は少ないため、理論構築のための基盤としてのみ利用しているが、今後さらに追加し論文発表を行う予定である。
|
Research Products
(9 results)