2009 Fiscal Year Annual Research Report
医療資源・知識の浸透と個人の健康との構造的関係-医療化の視点からの検討-
Project/Area Number |
09J05568
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三澤 仁平 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 健康格差 / 健康の社会的決定要因 / 医療化 / 主観的健康感 / 医療資源 / 地域 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、医療資源や医療に係る知識の社会への浸透と、個人の行為や実践、健康との間の構造的関係を医療化という観点から明らかにすることである。具体的には、健康格差、医療化に関するさまざまな概念を先行研究から整理することと、「社会経済的地位が高い者は医療に係る資源・知識に基づく行為・実践を行い、資源・知識を支持する傾向であるため健康感がよいのではないか」という仮説を社会調査データから実証することを通じて、医療化構造と健康との関係を明確にすることである。今年度の研究成果は以下のとおりである。まず、「健康格差」「健康の社会的決定要因」「健康の不平等」「医療化」などのキーワードで、学術的な先行研究、雑誌記事、新聞報道などに関して、幅広く資料を渉猟し、健康格差に関する概念整理をおこなった。また、蒐集された資料は、電子化し保存することとした。つぎに、学会発表や研究会などに積極的に参加し、他分野領域の研究者と交流することで、理論モデルの構築や概念の妥当性に関する助言を得た。これにより、社会不安に関する視点の重要性が明らかになった。最後に、次年度に計画している社会調査に向けて予備調査を郵送調査により行った。対象者は当該特別研究員が居住している自治体住民である。なお、この予備調査では対象者が限定されているために全国調査データによる検討も行った。この調査結果により、調査設問の問題点や理論モデルの修正などの知見が得られ、さらには統計的手法の有用性が確認できた。次年度実施予定の本調査について、対象母集団の設定、調査票の設計などに関する方針を確定することができた。
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Research Products
(4 results)