2009 Fiscal Year Annual Research Report
LDL受容体mRNAの分解抑制による高コレステロール血症改善の分子基盤解明
Project/Area Number |
09J05600
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
八代 拓也 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | LDL受容体 / 高コレステロール血症 |
Research Abstract |
これまでに申請者は、LDL受容体mRNAの安定性を規定する領域として、3'UTRに存在するARE(AU-richelement)1を見出し、このARE1に結合するタンパク質を探索した結果、複数のタンパク質が結合している可能性を示した。siRNAを用いた解析により、ARE1結合タンパク質の1つがAUF1(ARE/Poly(U)-binding degradation factor)であることを同定し、AUF1がLDL受容体mRNAの分解を抑制することを明らかにした。 本年は、AUF1とLDL受容体mRNAの結合実験を行い、AUF1とLDL受容体mRNAが結合することを明らかにした。これにより、AUF1によるLDL受容体mRNAの分解抑制が、直接的な作用に起因することが示された。 また、AUF1をノックダウンしたときの、LDL受容体のタンパク質発現量を解析するために、蛍光ラベルされたDiI-LDLの取り込み実験を行った。予想では、AUF1をノックダウンしたときLDL受容体mRNAの分解は亢進するので、LDLの取り込みは減少するはずであったが、AUF1をノックダウンした細胞でのLDL取り込みは増加していた。ウエスタンブロット解析の結果、同条件では、LDL受容体遺伝子の転写活性化に働くSREBP2(sterol regulatory element binding protein)が活性化しており、この矛盾点を説明することは可能であると言える。 さらに、AUF1とは別に、siRNAを用いた解析により、ARE1結合タンパク質の1つがHuR(Hu antigen R)であることを同定し、HuRがLDL受容体mRNAの分解を抑制することを明らかにした。
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