2010 Fiscal Year Annual Research Report
多次元波動現象における無条件安定な数値解析手法に関する研究とその工学的応用
Project/Area Number |
09J05620
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
佐々木 謙介 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 波動シミュレーター / 陰解法 / 局所的一次元FDTD法 / 特性曲線解法 / 数値分散性解析 |
Research Abstract |
目的)本研究は計算時間の削減を目的とした波動場の数値解析手法として陰解法に着目し、解析対象それぞれに対するこの差分スキームの適合性を示すことを目的とする。 意義、重要性)この課題を達成することによって、電磁波、音波、弾性波の数値シミュレーションの高速化がなされ、波動シミュレーターを活用している多くの分野において、研究効率の促進が期待される。また従来では計算時間のため困難であった、より大きな物理的な課題を扱える様になるため未知な物理現象の解明に貢献すると考えられる。 成果)陰解法として局所的一次元FDTD法とその包絡線型解法に着目した。これら差分スキームの解析対象それぞれに対する適合性について論じるに辺り、これら複数の差分スキームの差分近似誤差を評価する必要があると考えた。そこで理論的手法を用いて差分スキームの数値分散誤差を評価した。また得られた結果を用いて陰解法の数値分散誤差を導出する簡単な推定式を提案した。この推定式を用いることによって複雑な数値分散解析を行わずに陰解法の差分打ち切り誤差を見積もることができる。この推定式は実際の数値分散解析結果と20%程度の誤差で良い一致を示した。そして評価結果を分析し、これら陰解法の適合性を判断するための定量的な指標を提示した。また工学的課題の一例としてミリ波帯による電磁波の人体への安全性評価のための数値シミュレーションを行った。 陰解法の数値分散性解析に関する論文が掲載きれ、また国内外の学会で研空成果を報告した。また、工学的課題に関する研究成果に関しても同様に学会で報告した。
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Research Products
(7 results)