2009 Fiscal Year Annual Research Report
多次元波動現象における無条件安定な数値解析手法に関する研究とその工学的応用
Project/Area Number |
09J05620
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
佐々木 謙介 Tokyo Metropolitan University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 波動シミュレーター / 陰解法 / 局所的一次元FDTD法 / 特性曲線解法 / 数値分散性解析 / 骨導音 |
Research Abstract |
目的)本研究の課題は計算時間の削減を目的とした新たな波動シミュレーターの開発である。本年度の課題はシミュレーターの開発とその有効性を明らかにすることを目的とする。 意義、重要性)この課題を達成することによって、電磁波、音波、弾性波の解析の高効率化がなされ、波動シミュレーターを活用している多くの分野において、研究効率の促進が期待される。また、従来では計算時間のため困難であった、より大きな物理的な課題を扱える様になるため、未知な物理現象の解明に貢献すると考えられる。 成果)私はこの研究課題のための数値解析手法として陰解法である局所的一次元FDTD法と特性曲線解法に着目した。これらの数値解法は最新のものであり、その特性が明らかにされていなかった。私はこれらの数値解法の特性を理論的な数値分散性解析を用いて明らかにし、またそれぞれの手法の問題点に対して有効な解決方策を示した。局所的一次元FDTD法に関しては国内で査読付き論文が採録され、またその数値的な問題点の解決方策に関する研究成果を国内外の学会でそれぞれ報告した。特性曲線解法に関しては国内会議で報告した。 次年度では本年度開発した波動シミュレーターを用い、実際の物理的な問題を扱う予定である。その予備検討として骨導音の頭内部の伝搬特性の解析を従来法で行った。骨導音は難聴者に対して有効な音源として注目されている一方で、国際的な「聞こえ」の規格がなされていない。この物理問題を扱うことは国際的な聞こえの指標を決めるに辺り、意義のある研究課題である。この成果については共同研究者が国内会議で報告した。
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Research Products
(4 results)