2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J05626
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
守山 禎之 Okayama University, 大学院・自然科学研究科
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Keywords | フタホシコオロギ / 光同調の分子機構 / 時計遺伝子 |
Research Abstract |
本年度は光による時計遺伝子転写量変化の解析を行った。 すでに得られているコオロギ時計遺伝子per, tim, Clk, cry2について、光による時計リセットに伴い各時計遺伝子の転写が位相後退と位相前進に対応して変化するかどうかの解析を行った。1齢幼虫に対し主観的夜の前半に3時間の光照射を行い、光により誘導されるper, tim. Clk, cry2各時計遺伝子のmRNA量の発現量変化をreal time RT-PCRにより解析した。per, tim, Clk, cry2いずれの遺伝子も光照射後にmRNA発現量の増加が見られた。またその後しばらく継続した発現がみられた。次に、1齢幼虫に対し主観的夜の後半に3時間の光照射を行い光により誘導されるper, tim. Clk, cry2各時計遺伝子のmRNA量の発現量変化をreal time RT-PCRにより解析した。主観的夜の後半に3時間の光照射を行ったものでは、主観的夜の前半に光照射を与えた場合に見られたper, timのmRNA発現量の増加が見られずその周期的発現に位相前進がみられた。Clkは光照射を与えた後、そのmRNA発現量に増加が見られたが主観的夜の前半に光照射を行った場合とは異なり発現量の増加は一過性のものであった。 以上の結果からコオロギの光による時計のリセット機構がショウジョウバエやマウスにおける光による時計のリセット機構のどちらとも異なるメカニズムである可能性が示唆された。
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