2009 Fiscal Year Annual Research Report
フラクタル次元解析を用いた地中レーダのクラッタ信号の抑圧
Project/Area Number |
09J05628
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 直樹 Tohoku University, 大学院・環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 地中レーダ / クラッタ信号 / ビバルディアンテナ / 広帯域特性 / アンテナリンギング |
Research Abstract |
地中レーダにおけるクラッタ信号の抑圧を目的とし,広帯域特性を有しアンテナリンギング成分が非常に小さいビバルディアンテナの設計と作成を行った.数値シミュレーションによって最適なアンテナ形状を決定し,実験によって広帯域特性とアンテナリンギング成分が抑圧されたことを確認した.500MHz-6GHzの周波数帯域においてアンテナリターンロスは-8dB以下であり,アンテナリンギング成分のレベルは主パルスのピーク値と比較して-25dB以下である,また,アンテナサイズは250mm*200mm*1.6mmであり,地中レーダのアンテナとしては文句の無い範囲のサイズである.このアンテナの適用によって,高分解能且つ鮮明な地下イメージの合成が可能となるので,埋設物検知の精度・信頼性の向上が期待できる.世界的に見ても地中レーダのクラッタ信号の抑圧は,非常に重要で挑戦的な課題である.これまでに行った研究は,表題のフラクタル次元解析を用いたクラッタ信号の抑圧とはアプローチは異なるものの,研究のゴールはクラッタ信号の抑圧及び高精度且つ信頼性の高い地下イメージの作成という点で合致しており,研究の意義が十分にある.また,本研究で開発したビバルディアンテナは設計手法及び基本特性が非常にユニークであり,アンテナ工学の観点からも,有意義な研究である. また,バイスタティック型レーダシステムの拡張版として開発を考えている,地上デジタル放送のOFDM信号を用いた受動型バイスタティックレーダシステムに関しては,国際会議及び国内学会,更に論文の調査等によって,開発に必要となる情報収集を十分に行ってきた.博士課程最終年度で,システムの構築及び基礎実験を予定している.
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