2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J05638
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
細田 弥生 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 甲状腺機能低下症 / 抵抗性遺伝子 / 遺伝的背景 / QTL解析 |
Research Abstract |
翻訳後修飾のひとつであるチロシン硫酸化反応の生物学的意義は未だ不明な点が多い。哺乳類のチロシン硫酸化反応はTyrosylprotein sulfotransferase 1と2(TPST1とTPST2)による触媒を受けており、生命現象におけるチロシン硫酸化の意義を示す手段として、時期ないし組織特異的な両遺伝子のコンディショナルノックアウトマウスの知見は必要不可欠である。 コンディショナルノックアウトマウスを作製するためにBAC recombineering systemを用いて相同組換え用のターゲティングベクターを作製済みである。現在PCR法とサザンハイブリダイゼーション法を用いて相同組換えを確認中である。次年度はこのES細胞を8細胞期胚に移植することによりキメラマウスを作製する。 また、本研究の一部としてTpst2遺伝子の自然発症変異を有するDW/J-grtマウスも対象に研究を行っているが、このマウスの異常症状である甲状腺機能低下症(CH)が遺伝的背景の影響を強く受けることを発見した。即ち、遺伝的背景を129系統に置換すると症状が殆ど現れず、組織学的及び血清学的解析を行った結果、129系統における成長遅延に対する抵抗性は甲状腺機能に依存することを発見した。甲状腺機能低下症に対する抵抗性遺伝子の同定およびそのメカニズムの解明は、甲状腺疾患に対する新規治療法の開発及びより詳細な甲状腺形成メカニズムの解明につながる。私はこの原因遺伝子の同定を目的として、grt変異を有するDW/J系統と129系統の間で交配を行い、CHに伴う体重低下を指標にquantitative trait loci(QTL)解析を行った。その結果、原因遺伝子を常染色体の二か所の領域に限局することに成功した。現在、バイオインフォマティクスを用いてその原因遺伝子の絞り込みを行い、in vitroでの機能的解析を行っているところである。
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Research Products
(1 results)