2009 Fiscal Year Annual Research Report
不連続Galerkin法による偏微分方程式の数値解析の研究
Project/Area Number |
09J05654
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
及川 一誠 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 有限要素法 / 不連続ガレルキン法 / 数値解析 / ハイブリッド法 |
Research Abstract |
今年度の研究成果は主に次の2つである。 1.lifting作用素を用いたハイブリッド型不連続ガレルキン(HDG)法の開発 2.3次元Poisson方程式に対するハイブリッド型不連続ガレルキン法の実装および数値計算各項目について以下に述べる。 1.HDG法の安定性は,ペナルティパラメータをある値より大きく取ることで保証されている。しかし,そのある値'は存在することは分かっているものの,数学的に評価することは難しい。応用上,要素形状に対する依存性ぐらいは知る必要があるのだが,現時点では,単体等の簡単な形状の部類について,それも大雑把な評価が得られているのみである。そこで私は,値の評価をどうにか回避できないだろうかと考えた。その結果,新たにlifting作用素というものを導入し,改良手法(HDG-L法)を得た。HDG-L法は,任意の正のペナルティパラメータについて安定性が成り立つので,値の評価は不要になった。ただ,その代償として,計算コストと係数行列のバンド幅が増加してしまった。しかし,数値実験を繰り返した結果,それは計算する上では問題ない程度であることが分かった。 2.任意の空間次元のPoisson方程式に対して,HDG法による近似解の誤差はoptimalになるということは理論的には既に示した。ここで,optimalとは近似関数空間の中での最良近似解とメッシュサイズに関して同程度になる,という意味である。一方,数値計算の方は,2次元の場合については有効であることは確認済みである。今年度は3次元の場合について,実際にプログラムを作成し,四面体と直方体の有限要素を用いて数値計算を行った。その結果,HDG法の実装が無理なく行えることと,L2・H1誤差が理論通りなっていることが確認できた。今後は,流体や構造力学等の,3次元空間が主な舞台になる問題についての適用が期待される。
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Research Products
(2 results)