2010 Fiscal Year Annual Research Report
肺炎クラミジアの、宿主への寄生状態維持に関わるタンパク質の構造、機能解析
Project/Area Number |
09J05718
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山村 昭裕 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 肺炎クラミジア / 持続感染 / プロテアーゼ / 高圧巻き戻し法 / 免疫応答 / X線結晶構造解析 / アデニル酸キナーゼ / 生活習慣病 |
Research Abstract |
肺炎クラミジアChlamydia pneumoniaeは、疫学的な調査から生活習慣病の罹患リスクを増大させることが分かっているが、肺炎、風邪に伴う急性症状に対する治療法がすでに確立されていることから、持続感染状態にあるC.pneumoniaeに対する新規治療法の開発はなされていない。本研究は、宿主への寄生状態を維持するという、C.pneumoniaeに特徴的な事象に関わるタンパク質の機能、構造解析を行うことを目的としている。これは、宿主に寄生する特殊な微生物であるC.pneumoniaeの生活環を分子レベルで理解するという学術的な側面を持つ一方、持続感染状態にあるC.pneumoniaeに対する新規治療法の開発につながる可能性があり、きわめて重要なものである。 【CPAF C末端ドメインの結晶化】CPAFは、宿主の免疫応答を抑制するプロテアーゼである。昨年度よりCPAFのC末端ドメインの、シッティングドロップ蒸気拡散法による結晶化を試みているが、現在までに結晶は得られていない。 【ADK新規調製法の確立と結晶化】ADKは宿主細胞からのエネルギー獲得に関わるタンパク質である。これまで結晶化には成功していたものの、分解能は約4Aと構造解析には至っていなかった。高圧巻き戻し法により調製したタンパク質を結晶化に用いることで分解能の向上に成功したという報告がある(J. Biol. Chem.283,1501-7,2008)。そこで、昨年度から高圧巻き戻し法を用いて調製したADKを用いてシッティングドロップ蒸気拡散法により結晶化を試みているが、現在までにX線回折能を有する結晶は得られていない。
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Research Products
(1 results)