2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J05740
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 寛英 Kyoto University, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 1分子間力解析 / 原子間力顕微鏡 / 認識イメージング / 開口分泌 / シナプトタグミン / SNARE |
Research Abstract |
Sytは、神経細胞における開口分泌を引き起こすタンパク質として認知されている。このタンパク質はN末端側に分泌小胞の膜貫通ドメイン、続いて細胞膜内膜に結合するA・B両ドメインが存在する。従来の生化学、電気生理学的解析手法ではA・B両ドメインがカルシウム依存的に標的膜と結合し、開口分泌を引き起こすと考えられてきたが、本研究員は、Sytのドメイン、各種ミュータントを結合させたAFM探針と標的膜との1分子レベルでの結合力を計測した。結果、SytのAドメインはカルシウム存在/非存在下両条件下において標的膜と結合すること、Syt表面のリシン残基は標的膜への結合にとって不可欠であることを明らかにした。これらのデータをまとめた論文は、現在、Journal of Biological Chemistryへ投稿中である。―方、本研究課題の申請書に記したように、本研究員が目指すものは、1分子レベルでみた、『Syt、SNARE、標的膜との間の"動的な"力関係』を解明することであり、そのことが本研究課題の最もオリジナルな要素である。本研究員は、その目的のために、Sytを結合させたAFM探針を用いて、標的膜上に再構成したSNARE分子との結合力をAFMイメージ中で測定、すなわち、SytとSNARE分子間の力を1分子レベルで"マッピング"しながらAFMイメージングを行うことを目指している。この実験系を用いて、IntactなSytだけでなく、A、Bドメインやカルシウム結合能を失ったSytのミュータントなどをAFM探針に結合させてイメージングを行い、それぞれの認識シグナルを比較することで、SytのどのドメインがSNARE、あるいは標的膜と結合するのかを調べる。現在、そのデータを得るべく、Sytを結合させたAFM探針を用いて、SNAREを再構成した脂質二重膜上の認識イメージングを行っている。
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Research Products
(4 results)