2009 Fiscal Year Annual Research Report
光操作技術の開発による植物胚発生におけるヒストンH3バリアントの機能解析
Project/Area Number |
09J05807
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
栗原 大輔 Nagoya University, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ヒストンH3バリアント / 光操作 / 植物胚発生 |
Research Abstract |
本研究では時期特異的,細胞特異的にタンパク質機能阻害および誘導する技術の開発によって,シロイヌナズナ胚発生過程における細胞個性獲得および分裂パターンへのヒストンH3バリアント交換の寄与を解明することを目指したが,平成21年度はヒストンH3バリアントのシロイヌナズナ初期胚における発現パターンの解析,またタンパク質機能阻害および発現誘導のための形質転換植物体の確立を行った. ヒストンH3バリアントH3.3であるHTR5およびHTR8の発現パターンを解析するために,自身のプロモーター下でGFPを融合したタンパク質を発現する形質転換植物体を構築したところ,HTR5::GFP, HTR8::GFPともに根端全体での蛍光を検出した.シロイヌナズナ形質転換植物体の胚を観察したところ,HTR8::GFPにおいて通常のヒストンH3であるH3.1とは違い,根端分裂組織,茎頂分裂組織周辺で強い発現が検出された.このことは,シロイヌナズナ胚において,ヒストンH3バリアントは通常のヒストンH3と違う機能を持っていることが示唆された. 続いて,蛍光タンパク質KillerRedを用いた光誘導性時空間特異的タンパク質機能阻害の条件検討を行うため,ヒストンH2B::KillerRedを発現する形質転換植物体を構築した.構築した形質転換植物体を用いて条件検討を試みたが,KillerRedの蛍光が弱く,実験には適していなかった.そのためKillerRedのような蛍光タンパク質ではなく,蛍光基質と特異的に結合するタンパク質を用いて光誘導性機能阻害法を試みるために,SNAPタグ融合ヒストンH2Bを発現する形質転換植物体を構築した.H2B:SNAP発現シロイヌナズナ胚において,蛍光基質を加えて観察したところ,細胞核に蛍光が観察された.このように,CALI法を用いるための形質転換植物体を構築できた.
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Research Products
(3 results)