2009 Fiscal Year Annual Research Report
光学活性多置換アゼチジンカルボン酸の触媒的不斉合成法の確立と医薬化学的展開
Project/Area Number |
09J05890
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
盧 剛 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 希土類金属 / 不斉触媒 / 不斉合成 / アゼチジン / アミノ酸 / 医薬化学 |
Research Abstract |
初年度には、研究計画に沿って検討を進めた。アゼチジン化合物群の網羅的合成法の確立を視野にいれ、まずは残された課題であった「anti-選択的直接的触媒的不斉マンニッヒ型反応」の実現に向けて取り組んだ。トリクロロメチルケトンを用いた反応においては、希土類錯体に立体的にかさ高いルイス塩基配位子を加えることで、高いanti選択性を実現することはできたが、種々の検討したが、残念ながら高いエナンチオ選択性を実現することはできなかった。そこで、あらたな合成戦略として、α-ケトアニリドを求核剤とするマンニッヒ型反応を基盤とすることを計画した。綿密な反応遷移状態に対する考察を基盤とした新規不斉触媒の設計を行った結果、トリクロロメチルケトンsyn選択的な反応に有効であった希土類触媒はやはりsyn選択性を発現した一方、遷移金属を活用した複核金属触媒系が優れた結果を与えることを見いだした。そこで、α-ケトアニリドのマンニッヒ型反応により得られたsyn-およびanti-選択的な生成物を立体選択的な還元、および分子内光延閉環反応の条件に付すことで、望みのアゼチジンカルボン酸誘導体を高い立体選択性にて得ることに成功した。また、類似の触媒系のさらなる有用性を探索するべく検討を進めた結果、α-イソチオシアネートが優れた反応剤となりうることを見いだし、その応用展開にも成功した。今後は、この反応性を活かした研究展開を進めると同時に、初年度に合成法を確立したアゼチジンカルボン酸の全合成への応用研究を鋭意すすめる。
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Research Products
(2 results)