2009 Fiscal Year Annual Research Report
がん間質を構成するヒト血管外膜由来間葉系幹/前駆細胞による腫瘍進展促進機構の解明
Project/Area Number |
09J05981
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
星野 歩子 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | がん間質線維芽細胞 / hVAFs / Podoplanin / 間葉系幹 / 前駆細胞 / 腫瘍形成能 |
Research Abstract |
本研究は、ヒト血管外膜由来線維芽細胞(hVAFs)をがん間質線維芽細胞の起源の一つとし、新規の間質線維芽細胞として位置づけ検討を行っている。hVAFsは多分化能を持つ細胞であるという特徴と共に、同様に検討した肺組織由来線維芽細胞(hLFs)よりもヒト肺腺がん細胞株A549の腫瘍形成能に寄与することが分かった。そこでhVAFsに含まれるどの細胞集団ががん進展に寄与するのか、及びその分子機構について検討することを目的としている。まずhVAFsによるA549の腫瘍形成能の上昇は、hVAFsに含まれる間葉系幹/前駆細胞が寄与しているかどうかを検討する為、hVAFsを脂肪細胞もしくは骨芽細胞へ分化誘導した後A549とマウス皮下へ移植した。コントロールには分化誘導していないhVAFsをA549と皮下移植した。その結果脂肪細胞及び骨芽細胞へ分化誘導したhVAFsは共にコントロールと同時期に腫瘍形成が確認でき、腫瘍形成確認後の腫瘍体積増加もコントロールと差はなかった。このことから、未分化状態の細胞を含むことがhVAFsのA549への腫瘍形成能を上昇させているのではないことが分かった。次に、ヒト肺腺がんにおいてがん間質線維芽細胞のpodoplanin(PDPN)陽性細胞率が高い程予後が悪いという知見があることからhVAFsのPDPN陽性率及び、PDPN陽性細胞が腫瘍進展に関わるかを調べた。その結果、同一検体間において、hVAFsに含まれるPDPN陽性細胞率の方がhLFsに比べて高い傾向が確認できた。また、hVAFsに含まれるPDPN陽性細胞と陰性細胞をsortingしてA549と皮下移植すると、PDPN陽性細胞と移植した群において腫瘍形成が陰性群に比べて早く確認できた。これはhLFsでも同様の結果が得られ、このことからPDPN陽性線維芽細胞はA549の腫瘍形成能を上昇させることが分かった。
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Research Products
(2 results)