2010 Fiscal Year Annual Research Report
固定翼航空ロボットの失速を経由可能な姿勢制御の実現
Project/Area Number |
09J06015
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松本 剛明 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 無人航空機 / 姿勢制御 / 姿勢遷移 / 航空ロボット |
Research Abstract |
本年度は,昨年度に開発した無人航空機のための姿勢遷移戦略を更に発展させる研究を行った.まず開発した理論を数学的に洗練し,より簡潔かつ明瞭な表現を得た.次に数学表現に対し物理的な意味を与え,本手法がなぜ有効であるかを理論的に証明した.さらにテールシッタ無人航空機を用いて,ホバリング中の極めて大きな姿勢遷移を実験し,理論の有効性を定量的に評価した.実験では従来手法が極めて高い確率で失敗する非常に大きな姿勢遷移に対し,本手法は確実に姿勢遷移を成功させ,高い有効性を示した.これらの研究成果は,知能ロボットに関する国際会議(ICRA2010およびIROS2010)で発表された.本研究の目的は失速を経由可能な安定な実現であるため,さらにこの成果を発展させ,失速を積極的に利用して機敏に転回する機動の生成およびそのシミュレーションを行った.航空機が失速せず向きを反転させるには大きな旋回が必要であるが,本研究は故意に失速を引き起こし,その大きな抗力を減速力として活用して旋回半径を狭めるものである.この機動の安定な実現に対して,開発した姿勢遷移法が有効であることがシミュレーションを通して明らかとなった.この研究結果は,知能ロボットシステムに関する国際会議(IROS2010)で発表された.その後実機での失速機動を行ったところ,シミュレーションに近い挙動が示され,成功裏に実験を終えた.また開発した理論を数学的に洗練したことにより,他の航空ロボットやマニピュレータの姿勢遷移にも応用された.
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Research Products
(8 results)