2010 Fiscal Year Annual Research Report
2 次元アレー状に単層配列したナノ金属粒子支援フェムト秒レーザ・ナノプロセシング
Project/Area Number |
09J06039
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮西 智也 慶應義塾大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フェムト秒レーザ / 金ナノ粒子 / シリコンナノ粒子 / 近接場光 / ナノサイズパターニング |
Research Abstract |
2010年度は「Si基板上の斜方向励起Si微粒子近接場ナノホールパターニング」についての研究を行った。レーザ励起微粒子近傍の集光近接場によるナノパターニングは、増強光の利用により大面積基板のhigh throughputパターニングが期待されている。微粒子には主にシリカ等の低屈折率粒子や金(Au)等の金属粒子が用いられてきた。シリカ微粒子は2次元粒子アレーの配列が容易に行えるが、近接場光増強度が低いため照射領域を広く取ることができない。金微粒子プラズモン近接場光によるナノパターニングは高い光増強度が期待できるものの、粒子が凝集しやすいため配列が技術的に難しく、また粒子径と同程度の粒子間距離を空けなければ十分な光強度が基板上で得られない。そのためhigh throughputという特徴を生かせるパターニング手法が実現されていなかった。一方、高屈折率粒子であるSi微粒子は物理的にシリカと金の両方の特徴を備えており、誘電体であるため2次元単層配列も容易である。本研究ではTi : sapphireレーザを基板に対して斜方向入射したとき、基板上の孤立Si微粒子とSi微粒子アレー周囲の近接場光分布と電荷密度分布を計算した。計算結果より、Si微粒子による広い照射領域に対するhigh throughputナノパターニングの可能性を示した。斜入射時には、Si微粒子アレーへのs偏光入射時において、入射角50度の時に同一条件の金微粒子アレー下の光強度に相当する値が得られた。これはs偏光入射時に、入射光が空気中からSi中に移る際の反射率が非常に高くなることが原因である。入射光が微粒子アレーと基板との間のギャップに到達した時、そこから光が基板中や粒子内を透過する割合が非常に小さくなる。そのためギャップ中に光が局在し、基板上における光強度が非常に高くなる。これにより接触微粒子において、高い光増強が得られることが明確となり、ナノホールパターニングの適用範囲を広げることが可能となる。
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Research Products
(3 results)