2009 Fiscal Year Annual Research Report
2次元アレー状に単層配列したナノ金属粒子支援フェムト秒レーザ・ナノプロセシング
Project/Area Number |
09J06039
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮西 智也 Keio University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フェムト秒レーザ / ナノサイズパターニング / 金ナノ粒子 / プラズモン近接場 |
Research Abstract |
今年度はシリコン基板上に存在する複数の近接した直径200nmの金微粒子に対して中心波長800nm、パルス幅150fsのレーザパルスを照射した際の近接場光分布と基板上に作製されるナノホール形状を単一粒子と比較して調査を行った。近赤外光でナノサイズパターニングが行える可能性が示されたことによって、この手法を利用して2次元金微粒子アレー周辺の近接場光による表面ナノ構造の作製が期待されていた。しかし粒子が近接して存在していると励起された各粒子のプラズモンが相互作用を引き起こしてしまい、入射光エネルギーが粒子間に集中して基板上の光強度が弱まってしまう。この状態では2次元金微粒子アレーによってナノ構造を作製することはできない。そこで粒子間におけるプラズモン相互作用を弱めるために、基板に対してp偏光となるように斜方向からレーザ入射を行い、粒子が近接した状態においても均一なナノホールパターニングが行えることを検証した。 計算結果と実験結果の検証によって、粒子間距離(粒子表面から他の粒子表面までの距離)が200mm以上離れている場合は、入射角50度程度のp偏光入射によってナノホール形状の均一化を図れることが示された。粒子間プラズモン相互作用の強さは粒子間の間隔が狭まるほどに強くなり、それに伴い基板上の光強度も低下する。粒子間距離が200nmの際は単粒子による近接場光強度の約40%、0nmの際には10分の1程度しか与えることができなくなる。しかし入射角50度程度でp偏光入射を2次元アレーに対して行うと、粒子間距離200nmの際において単粒子の場合とほぼ同等の強度を得ることに成功した。ただし粒子間距離がそれよりも短い場合は、プラズモン相互作用が強いためp偏光入射を行っても基板上における強度は大きく変化しなかった。これらの結果より一定の粒子間距離を保てば金微粒子アレーによるナノ構造作製が可能であることが示された。
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Research Products
(5 results)