2009 Fiscal Year Annual Research Report
磁気嵐時の内部磁気圏-電離圏結合系における対流電場の発達過程
Project/Area Number |
09J06040
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西村 幸敏 Nagoya University, 太陽地球環境研究所, 特別研究員(SPD)
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Keywords | サブストーム / オーロラ / 磁気圏-電離圏結合 / 対流電場 / ポインティングフラックス |
Research Abstract |
平成21年6月より米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のLyons教授を訪問し、NASAのTHEMIS衛星、地上観測網のデータを用いオーロラ爆発現象(substorm)の研究を行った。この現象のトリガー機構は40年以上の未解明問題であったが、本研究の結果、オーロラ帯極側境界増光がsubstormの前兆現象となることを事例解析と統計解析から明らかにした。この結果についてアメリカ地球物理学連合大会(AGU)で4件のシリーズ発表を行い、さらにJournal of Geophysical Research誌に投稿し既に受理・印刷中となっている。AGUでの発表では私は第1発表の筆頭著者であると共に、後続の3件発表で全て第二著者となっており、この研究プロジェクトで主導的立場を担っている。さらにこの発表はNASAのPress Releaseに選ばれ、現在NASAのwebsiteに研究内容が掲載されている。さらに所属している名古屋大学での研究では、太陽風動圧および磁場変動に伴う磁気圏電場変動の研究を行った。まずCRRES衛星のデータを用い、IMF southward/northward turningに伴う内部磁気圏対流電場の応答時間を調べた。その結果、電子プラズマシート地球側では電場はIMFの変動に伴いすぐに応答する一方,プラズマシートでは電場の応答は遅いという領域依存性が見出された。さらにAkebono衛星との同時観測では、5RE以上離れた点で電場が同時に増大する様子が見られ、この瞬時電場増大は広い領域に及んでいることが分かった。さらにCluster衛星でPoynting fluxを計測したところ,磁気急始に伴い電離圏から磁気圏へと磁力線に沿って伝搬するPoynting fluxが計測された。この結果は,地上-電離圏導波管を高速に電磁エネルギーが磁気圏にまで輸送されていることを表している。以上の結果をJournal of Geophysical Research誌に投稿し、一件が既に受理・出版されており、もう一件が査読中となっている。
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