2010 Fiscal Year Annual Research Report
レチノイン酸受容体の樹状細胞分化への影響と腸管におけるビタミンA代謝機構の解明
Project/Area Number |
09J06042
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
和田 安代 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | レチノイン酸 / 樹状細胞 / RARアゴニスト / IL-12 |
Research Abstract |
本研究計画は、炎症性腸疾患における樹状細胞分化や腸管におけるビタミンA代謝機構および腸管におけるビタミンAの重要性を明らかにする事を目的としている。 これまでに合成レチノイン酸であるAm80の健常人に対する樹状細胞(dendritic cell ; DC)分化に対する影響を検討してきており、レチノイン酸がDCの分化過程に影響を与えることでIL-12低産生型DCを分化誘導し、またこのDCはTh1分化も抑制していることを明らかにしている。さらに、本年度はAm80と分化させたDC(Am-DCs)をCFSE希釈したナイーブT細胞と共培養し、抗原提示能を詳細に確認した。その結果、Am-DCsは、コントロールのDC(cDCs)と同等の分化誘導能を有していた。Am-DCはTh1誘導を抑制する事を細胞内染色で既に確認しているが、Am-DCで分化誘導した後のT細胞を回収し、そのサイトカインにおいてもIFN-γの産生が低下していた。またAm-DCs、cDCsともに制御性T細胞への分化は限定的であった。細胞の生存率においても検討を行ったたが、DC分化での生存率にcDC、Am-DCで差はなかった。さらに、RARα/βのpan-antagonistを用いて、MLRの際での阻害実験等も行い、分化誘導能に関する検討を詳細に行った。また、炎症性腸疾患患者の腸管におけるビタミンA代謝の検討をするための条件検討を詳細に行った。 以上のように、本年度はDC分化におけるレチノイン酸(Am80)の効果を確かなものとする検討を行い、さらに患者の腸管における検討をするための基礎検討を行った。
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