2011 Fiscal Year Annual Research Report
レチノイン酸受容体の樹状細胞分化への影響と腸管におけるビタミンA代謝機構の解明
Project/Area Number |
09J06042
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
和田 安代 慶應義塾大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | レチノイン酸 / 樹状細胞 / RARアゴニスト / IL-12 / 炎症性腸疾患 / Th1 / クローン病 / IFN-γ |
Research Abstract |
本研究は、クローン病や潰瘍性大腸炎といった炎症性腸疾患における樹状細胞分化や腸管におけるビタミンA代謝機構および腸管におけるビタミンAの重要性を明らかにする事を目的としている。 本研究ではこれまでに合成レチノイン酸であるAm80の健常人に対する樹状細胞(dendriticcell;DC)分化に対する影響を検討してきており、レチノイン酸がDCの分化過程に影響を与えることでIL-12低産生型DCを分化誘導し、またこのDCはTh1分化も抑制していることを明らかにしている。 さらに、Am80と分化させたDC(Am-DCs)をCFSE希釈したナイーブT細胞と共培養し、抗原提示能を確認した。その結果、Am-DCsは、Am80を添加していないコントロールのDC(cDCs)と同等の分化誘導能を有しており、分化誘導能低下によるTh1誘導抑制ではないことを示した。また、Am-DCはTh1誘導を抑制する事を細胞内染色で既に確認しているが、Am-DCで分化誘導した後のT細胞を回収し、そのサイトカインについても検討したところ、IFN-γの産生が有意に低下していた。またこの時Am-DCs、cDCsともに制御性T細胞への分化は限定的であった。細胞の生存率においても検討を行ったが、DC分化での生存率にcDC、Am-DCの間で差はなかった。 さらに、RARα/βのpan-antagonistを用いて、それらをT細胞分化誘導の際に添加し、受容体を阻害することで、Am-DCsそのものがTh1誘導に影響を与えていることを示し、分化誘導能に関する裏付けの検討を詳細に行った。 以上のように、DC分化におけるレチノイン酸(Am80)の効果を確かなものとする詳細な検討を行い、Am80が炎症性腸疾患、特にTh1疾患とされるクローン病に対する新たな治療の一助となりうる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)