2009 Fiscal Year Annual Research Report
糖質加水分解酵素における多糖分岐構造の多様な認識メカニズム
Project/Area Number |
09J06099
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石田 卓也 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 分岐多糖 / 糖質加水分解酵素 / キシロクルカン / キシログルカナーゼ / βグルカン / β-1,3-グルカナーゼ / 分子認識 / 結晶構造解析 |
Research Abstract |
自然界には様々な多糖が存在する多くの多糖は何らかの分岐構造を有している。分岐の頻度・長さ・含まれる糖の種類はその多糖を生産する生物種や存在する場所などにより異なり、分岐構造の違いによって多糖の機能も多様である。一方で生物は、自身や他の生物が生産した糖質を分解するために糖質加水分解酵素を生産する。GHファミリー55および74に属する酵素は、ファミリー内の全ての酵素が同種の分岐多糖に対して高い特異性を示すという点で特徴的なファミリーである。本研究では、GHファミリー55および74に属する酵素が、それぞれの基質の分岐構造を認識する機構を解明することを目的とした。 昨年までに、GHファミリー55に属するβ-1,3-グルカナーゼLam55AのX線構造解析を行い本酵素がβヘリックスと呼ばれるタンパク質の折りたたみ構造を一分子内に二つ有する新規な構造をしていることを明らかにした。本年度は、その成果を投稿論文にまとめるとともに、GHファミリー74に属するキシログルカナーゼXgh74Bの結晶構造解析を行った。本酵素は同ファミリーに属する構造既知の他の酵素と同じく、七枚羽のβ-プロペラ構造二つによる二枚貝のような構造をしていた。今回明らかとなった結晶構造、および既に報告している本酵素のアミノ酸配列と加水分解特性を同ファミリーの他の酵素と比較したところ、基質を結合する部位における少数のアミノ酸残基の違いによって、PcXgh74Bが示す特徴的な分解パターンが生じていることが示された。
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Research Products
(6 results)