2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規骨形成性低分子化合物を用いた骨再生システムの開発
Project/Area Number |
09J06101
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中島 慶治 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 骨再生 / 低分子化合物 / スクリーニング / 徐放性 / ヘリオキサンチン誘導体 |
Research Abstract |
本研究の目的はA)天然低分子化合物ライブラリーを用いた骨形成性低分子化合物のスクリーニングと候補化合物の骨分化誘導メカニズムの解明B)骨形成性低分子化合物の生体内デリバリーシステムの開発である。 A)についてはスクリーニングの結果からTH(ヘリオキサンチン誘導体)に着目し、骨芽細胞分化誘導の検討とその作用に関与するシグナル経路の検索をおこなった。 具体的にはTHにより活性化される下流シグナル・遺伝子の解析をDNAマイクロアレイ法を用いることによって候補分子の絞り込みをおこなった。新規骨形成性低分子化合物であり、その詳細なメカニズムは未だ解明されていないため、その意義は大きい。 B)については担体からの骨形成性低分子化合物徐放評価系を確立した。 具体的には薬剤が骨芽細胞分化誘導を有しながら、リン酸カルシウムの担体から徐放されることを見出した。徐放期間は1カ月と長く、今後はゲルなど他の担体についても試みていく予定である。薬剤を生体内に投与した時に生分解されずにどのようにして目的部位に作用させるかという課題は臨床応用上必須であり、それが解決されつつある。 また、THは軟骨内骨化と膜性骨化2つの骨化様式どちらにも作用することが解明された。マウスの軟骨内骨化である脛骨と膜性骨化である頭蓋骨を採取して、器官培養をおこなったところ、どちらでも骨形成が誘導された。従来の薬剤ではどちらか1つの骨化様式のみしか検討がおこなわれていなかったため、2つの骨化様式どちらにも骨形成が誘導されたことは注目に値する。
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Research Products
(2 results)