2009 Fiscal Year Annual Research Report
iPS細胞を用いたケミカルバイオロジーによる新たな血管新生機構の解析
Project/Area Number |
09J06109
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
楢崎 元太 Kyoto University, 再生医科学研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 人工多能性幹細胞 / 血管内皮細胞 / 分化誘導 / ケミカルバイオロジー |
Research Abstract |
iPS細胞の検討>本研究申請時に使用を予定していたiPS細胞だけでなく、由来組織、遺伝子導入法、必要導入遺伝子数の異なるiPS細胞のラインが樹立されてきた。そこで、本研究に用いる最適なラインの検討を行った。分化効率や品質管理を検討した結果、当初用いていた皮膚由来4因子のiPS細胞を用いる事とした。 動物モデルの構築>腫瘍移植による血管新生の動物モデルの構築を行った。ヌードマウスの皮下にC6細胞株を移植し、5日間移植した腫瘍を成長させた。その後、恒常的にRFPを発現するiPS細胞株より分化誘導した血管細胞(血管内皮細胞と血管壁細胞を含む)を腫瘍の近傍に経注射的に移植した。2B後に移植腫瘍を回収し、凍結切片を作製ののち免疫染色を行った。その結果、移植された血管内皮細胞、壁細胞は腫瘍の新生血管への貢献が認められた。これらの事から、血管新生の動物モデルを構築するとともに、移植されたiPS細胞が成体の血管新生に貢献できることを示した。 血管作用化合物のスクリーニング>研究計画書を提出した段階では、iPS細胞からの3次元培養によるスクリーニングを予定しており、実際に基盤技術の構築には成功していた。しかし、実際に化合物スクリーニングに用いる検討を行ってみたところ、いくつかの問題が見られた。サンプル調整の煩雑である点、結果が出るまでに日数を要する点、効率的客観的評価が難しい点、必要な化合物量多い点などである。検討を重ねた結果、2次元培養による血管内皮細胞誘導効率を比較し、その結果、有用性が認められた化合物については、3次元培養による検討も行う事とした。
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Research Products
(6 results)