2009 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチン制御機構の解析によるヘルパーT細胞分化メカニズムの解明
Project/Area Number |
09J06159
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
関谷 高史 Keio University, 医学部, 特別研究員(PD)
|
Keywords | TGFβ / Foxp3 / Th17 / 抑制性T細胞 / 核内受容体 / クロマチン制御 / プロモーター / 免疫寛容 |
Research Abstract |
免疫応答を負に制御することにより生体の恒常性を維持する制御性T細胞(Treg)の分化メカニズムの解明を行うことを目的とする。まず、Treg分化におけるキーファクターを同定するため、文献およびデータベースをサーチし、13種類の転写因子を候補因子としてピックアップした。それら13因子のTreg誘導活性を、Tregマーカー遺伝子であるFoxp3の発現を指標に解析したところ、数種類の因子(FoxP-regulatory factors, FRFs)がレポーターアッセイレベルでFoxp3誘導能を示し、中でも特に核内オーファン受容体FRF1は内在性のFoxp3の発現も強く誘導することが明らかになり、さらなる解析を行った。まずレポーターアッセイ、クロマチン免疫沈降法により、FRF1はFoxp3遺伝子のプロモーター領域、および第1イントロンに存在するCNS1と呼ばれるエンハンサー領域に、モノマーとして直接結合し、Foxp3の発現誘導を引き起こすことを明らかとした。さらにレポーターアッセイおよび共沈実験により、FRF1はNFAT,Smads,Runx1,Stat5のような既知のFoxp3発現制御因子と相互作用し、それらの機能発現を担っていることを見出した。また、クロマチン免疫沈降法により、FRF1はFoxp3遺伝子領域に活性化型ヒストン修飾を引き起こすことを見出し、現在その分子メカニズムの詳細な解明を試みている。さらに、フローサイトメトリーによる解析により、FRF1は炎症性サイトカインであるIFNγの発現を抑制することを見出したが、その抑制には直接のDNA結合能を必要とすることを解明した。さらにTreg発生過程でのFRF1の重要性を追求するため、現在T細胞特異的に欠損する遺伝子改変マウスを作製し、解析を進めている。
|
Research Products
(4 results)