2009 Fiscal Year Annual Research Report
超楕円曲線上のペアリング暗号の高速化手法の提案と評価
Project/Area Number |
09J06180
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
川原 祐人 Future University-Hakodate, システム情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 公開鍵暗号 / ペアリング / 有限体 / 加算演算 / 論理命令 |
Research Abstract |
有限体上の演算において最も基本的な演算として基礎体上の加算演算が挙げられる.有限体上の演算における計算コストは基礎体上の加算が大部分を占めるため,高速な加算の構成は有限体上の高速な演算における重要な要素である.本研究では,標数3の有限体の基礎体に対して,論理命令による加算演算の構成方法を用いて,最小の論理命令数による加算命令列の構成を行った.加算命令列の構成は,2個の基礎体上の元を入力として,設定した命令数で構成可能な全ての命令列を求め,加算結果と一致する命令列の有無を確認することで構成する.探索では,基礎体上の元の表現として冗長な元の表現を含む2bitによるビット表現,また論理命令として2bit入力の全ての二項演算結果を出力可能な論理命令セットを用いた.結果として,通常とは異なるビット表現の使用や,ANDN命令などAND, OR, XOR命令以外の論理命令の追加により6命令での加算命令列が構築可能であり,またどんなビット表現や論理命令を用いても5命令以下で加算命令列を構成できないことを示した.構成した6命令の加算命令列と従来方式である7命令の加算命令列を用いて,有限体上の演算およびηTペアリングの実装および評価を行った.評価結果より,有限体上の加算は約12%高速となり,加算の論理命令数の削減により理論値に近い高速化の結果が得られた.また有限体上の乗算では約8%の高速化が,ηTペアリングでは約7%の高速化が成された.本研究成果について,情報処理学会論文誌に投稿し,論文が掲載された.
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Research Products
(1 results)