2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ摩擦特性解明のための駆動機構を付与した二軸独立型摩擦力顕微鏡マイクロプローブ
Project/Area Number |
09J06230
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
雨川 洋章 Nagoya University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / マイクロマシニング / トライボロジー / 摩擦力顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究は,マイクロ・ナノ領域のトライボロジー現象の解明および局所的な特性の把握に有効な手段として摩擦力顕微鏡用の二軸独立型プローブを確立するために,動的な測定と探針位置の制御機能を付与することを目的としている.本プローブに,静電気力により駆動する機構を付加することで実現を図る.今年度は静電気力を付加するためのマイクロ電極部の作製法の確立を目指して以下の事項を達成した. (1)シリコンを用いた結晶異方性エッチングによって,マイクロ電極部構造の試作に成功した.プローブ部の平行板ばねの側面に対向するように,結晶異方性エッチングを用いて側面を精密に垂直とすることに成功した.組み合わせを行う際に,プローブ部とマイクロ電極部の側面が精密に平行になることが期待される. (2)側面や基板下面を金属材料で被膜し,電極部の作製を試みた. (3)マニピュレータによる操作で,プローブ部とマイクロ電極部の組み合わせを行った。 また,計画外の成果として,摩擦力の検出精度の高精度化に成功した.本プローブは水平方向の変形を検出するために,プローブ先端部に形成した微小な溝にレーザー光を照射し,溝に対応する像をフォトダイオード上に集光させたものを使用していたが,感度と再現性の精度が低かった.それに対して,レーザーのスポット光の径に対して小さい,傾斜面からなるパターンを着想した.このパターンに対応した領域での反射光は検出器と異なる方向へ反射し再現性が向上することを狙いとし,結晶異方性エッチングを用いて作製に成功した.本パターンによって課題の解決を達成した.
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Research Products
(8 results)