2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J06357
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
門田 洋一 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 形状記憶圧電アクチュエータ / 圧電アクチュエータ / ドメインスイッチング |
Research Abstract |
本研究は,従来の圧電アクチュエータとは異なる原理で駆動し,パルス電圧で駆動でき,圧電歪みの維持に電圧印加を必要としない形状記憶圧電アクチュエータの原理の解明,設計,パフォーマンスの向上を目的とする.本年度は,電界インプリントを用いない新たな手法を提案し,形状記憶圧電アクチュエータの疲労特性の改善を図ると共に,歪みメモリ量の多値化を行った.また,歪みメモリ効果のミクロな原理の解明を行った. 従来形状記憶圧電アクチュエータは電界インプリントを用いて歪みのバタフライ曲線を非対称にしていたが,印加電圧の振幅を非対称とすることで電界インプリントを用いずに非対称なバタフライ曲線を得ることができ,形状記憶圧電アクチュエータが製作可能であることを実証した.市販のユニモルフアクチュエータを用いた実験では,従来の手法と同等の歪みメモリ量を得た.また連続駆動による疲労特性を測定し,10万回駆動後も歪みメモリ量がほとんど減少しない良好な疲労特性を得ることができた.また,従来はアクチュエータの歪みメモリ量は一つのみであったが,アクチュエータの歪みメモリ量の多値化を行った.歪みメモリ量を制御するには,印加電圧を変化させることが考えられるが,駆動パルス電圧の振幅を変化させた場合,メモリ量の変化は急峻で制御は困難であることが分かった.一方で駆動パルス電圧のパルス幅を変えると,歪みメモリ量はパルス幅の対数関数として変化するため,パルス幅の変化により歪みメモリ量の制御が可能であることを示した.また,圧電セラミックス単体を用い,非対称電圧駆動後の各状態において,そのドメイン状態をX線回折により測定した.その結果,セラミックスの歪みメモリ量と非180°ドメインの体積割合の間に大きな相関があり,歪みメモリ効果のミクロな起源が非180°ドメインの回転にあることを明らかとした.
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Research Products
(3 results)