2010 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャルウェアにおける知識流通のための感性情報の獲得と利用
Project/Area Number |
09J06382
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
松村 冬子 (伊藤 冬子) 同志社大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 感性情報 / 感性モデル / 嗜好 / 対話型遺伝的アルゴリズム / ネットワーク解析 |
Research Abstract |
本研究では,ユーザとシステムの対話から感性情報および感性モデルを獲得することを目的としている.感性情報を獲得し,ユーザがどのような人間であるかを表現するユーザモデルの構築に利用することで,主観的側面から情報を利用することが可能になり,情報の活用範囲が拡大する.今年度は昨年度に引き続き,E-commerce (EC)サイトにおける商品探索時のユーザの嗜好の変化を対象として研究を行った.また,米国IBM T.J.Watson Research Centerにおいて,ユーザの専門性と変遷を把握する手法,および特定のトピックにおけるユーザ間の影響の伝搬について検討を行った. 本研究では,対話型遺伝的アルゴリズム(iGA)の改良により,嗜好のモデルが複数の傾向を持ち,時間経過で変化する場合にも,選好商品の時系列クラスタリングにより適切にモデル化する手法を提案し,エージェントによりその有効性を既に示している.今年度は,さらに被験者実験を行い,被験者に生じた嗜好のモデルの変化のうち約54%を検出するとともに,各クラスタの形状から,ユーザの選好傾向の変化も可視化して把握できるようになった. 米国滞在中は,SmallBlueと呼ばれる社内SNSをもとに,DBLPなど研究者情報を持つ外部サイトから一般の研究者や専門家の情報を収集し,それらを繋ぐサービスを一般公開した.また,その発表論文や共著関係などから,研究者のネットワークと専門分野を抽出して,その変遷を追う方法について検討した.さらに社内のEメールのやり取りとその内容から,Granger's causalityを用いて,特定のトピックにおいて影響度の高いユーザのランキングを導出する手法について検討した.これらの方法は,ユーザの嗜好モデルの変化の把握,ユーザの嗜好モデルが変化するよう影響を伝搬させた要因の抽出に有用と考えられる.
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Research Products
(1 results)