2009 Fiscal Year Annual Research Report
内因性ニトロ化ヌクレオシドが関与する新規シグナル伝達機構の解明
Project/Area Number |
09J06401
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
斎藤 洋平 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | S-グアニル化 / 8-ニトロcGMP |
Research Abstract |
内因性cGMP誘導体である8-ニトロcGMPはタンパク質システインチオールと反応することでタンパク質機能を制御し、シグナルを伝達する化合物である。しかし、そのシグナル消去機構や標的タンパク質の多くは不明である。 私は8-ニトロcGMPのシグナル機構を解明することを目指し、同位体ラベルした化学プローブを合成し、細胞に投与することで、その代謝物を同定した。具体的には化学プローブとして軽水素でラベルした8-ニトログアノシン由来の化合物、および、重水素でラベルした化合物を設計した。 本化合物は解析にLC-MSを用いることを考慮し、分子量で5異なるものを設計した。細胞に投与した後に、培地のLC-MS解析を行うと、培地由来の分子量で2の倍数(偶数)分異なるピークが数多く観測される中、特異的に化合物由来のピークを見つけ出すことに成功した。そのピークの高分解能マススペクトルを測定したところ、8位のニトロ基がアミノ基に置換した化合物であることが判明した。 このことから、8-ニトロcGMPの代謝としてS-グアニル化以外に、ニトロ基の還元反応があることが示唆された。 一方、cGMPと同様にプリン骨格を有するアデノシン誘導体のニトロ化についても生体内存在を検証すべく、ハプテンの合成、および、抗体の作成を行った。具体的には8-ニトロcAMPを合成し、キャリアタンパク質であるBSAと結合させたもの人工抗原とし、ポリクローナル抗体の作成を行った。
|
Research Products
(3 results)