2010 Fiscal Year Annual Research Report
内因性ニトロ化ヌクレオシドが関与する新規シグナル伝達機構の解明
Project/Area Number |
09J06401
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
斎藤 洋平 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | S-グアニル化 / 8-ニトロcGMP / S-アデニル化 |
Research Abstract |
内因性cGMP誘導体である8-ニトロcGMPはタンパク質システインチオールと反応することでタンパク質機能を制御し、シグナルを伝達する化合物である。しかし、そのシグナル消去機構や標的タンパク質の多くは不明である。 私は8-ニトロcGMPのシグナル機構を解明することを目指し、同位体ラベルした8-ニトロcGMPを合成し、細胞に投与することで、その代謝物を同定した。具体的には8-ニトロ-cGMPのプリン環部を^<18>Oで置換した^<18>Oラベル8-ニトロcGMPを合成した。本化合物は解析にLC-MSを用いることを考慮し、8-ニトロcGMPと^<18>Oラベル8-ニトロcGMPを別々に合成し、1:1となるように混合したのちに細胞へ投与した。投与後、細胞抽出物のLC-MS解析を行うと、特異的に化合物由来のピークを見つけ出すことに成功した。その代謝物のピークは8位のニトロ基がアミノ基に置換した8-アミノcGMPであることが判明した。このことから、8-ニトロcGMPの代謝としてS-グアニル化以外に、ニトロ基の還元反応があることが分かった。 一方、cGMPと同様にプリン骨格を有するアデノシン誘導体のニトロ化についても生体内存在を検証すべく、ハプテンの合成、および、抗体の作成を行った。具体的には8-ニトロcAMPを合成し、キャリアタンパク質であるBSAと結合させたもの人工抗原とし、モノクローナル抗体の作成を行った。細胞内におけるタンパク質S-アデニル化の探索を行うためにストレス刺激を行った細胞株から抽出物を調製し、ウェスタンブロッティングによる解析を行ったところ刺激時間依存的に検出されるバンドがあることが示唆された。
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Research Products
(6 results)