2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J06408
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
櫻澤 誠 立命館大学, 法学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 沖縄戦後史 / 復帰運動 / 社会運動 / 保守 / 革新 / 教職員 / 沖縄戦 / 戦後補償 |
Research Abstract |
雑誌論文としては、"保守側からみた保革対立軸形成過程についての検討"として、「戦後沖縄における保革対立軸の成立と「島ぐるみ」運動-教公二法問題を中心に-」(『年報政治学』2010-II、2010年12月)を発表した。同稿では、復帰協結成以降も復帰運動は超党派、「島ぐるみ」の姿勢を堅持していたことを示した上で、復帰協がどのように保守側と対峙する組織へと転じていくのかを、教公二法問題を通して、保革双方から検討した。また、聞き取りの成果として、「[インタビュー]一九六〇年代京都における沖縄返還運動-佐次田勉氏に聞く-」(『ノートル・クリティーク』3、2010年5月)を発表した。 学会発表としては、"多様な保守勢力の形成から保守合同までの検討"として、第48回部落問題研究者全国集会(2010年10月24日、同志社女子大学)において、「戦後沖縄における「基地問題」の形成過程-沖縄教職員会の動向を中心に-」と題して口頭報告を行った。同報告では、保革対立として二項対立的に捉えられがちな沖縄住民の「基地問題」への態度について、その形成過程に着目して内在的に再考し、「「保守」的立場」、「「革新」的立場」として重層的に捉え直す試みを行った。 史資料収集としては、国立公文書館、国立国会図書館、沖縄県公文書館、沖縄県立図書館、うるま市立石川歴史民俗資料館などにおいて、沖縄戦後史に関する文献・文書等の収集に努めた。特に、沖縄県公文書館所蔵の「USCAR文書」「琉球政府文書」「復帰協文書」「社大党文書」「屋良朝苗日誌」など、一次史料の収集を行った。また、元教員に対する聞き取りを継続的に行った。これらの成果をもとに、既発表論文についても再検討を行った。
|
Research Products
(2 results)