2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J06412
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今井 直毅 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Galois表現 / 変形 / p進表現 |
Research Abstract |
本年度は,主に2次元のp進Galois表現について研究した. P進Galois表現のかなり広いクラスとして潜在的準安定表現というものがある.実際,多様体のコホモロジーに実現されるようなGalois表現は,全て潜在的準安定表現であり,この潜在的準安定表現を調べることは,Galois表現の研究において非常に重要である.潜在的準安定表現は,Colmez-Fontaineの定理によってフィルター付きファイN加群と対応することが知られており,潜在的準安定表現を調べることは,このフィルター付きファイN加群を調べることに帰着される. 本年度の研究においては,2次元の潜在的準安定表現に対応する,フィルター付きファイN加群を完全に分類した.より正確にはGalois作用のあるフィルター付きファイN加群を考えることになり,そのためにまず潜在的準安定表現が準安定表現になるようなGalois拡大たちを構成した.その上で,そのGalois拡大のGalois群が作用するフィルター付きファイN加群たちについて調べた. 2次元の潜在的準安定表現に対応する,フィルター付きファイN加群は許容性という条件で特徴図けられることが知られており,この許容性の条件からフィルターを決定するところが本質的となる. 先にも述べたように潜在的準安定表現は,非常に重要なGalois表現のクラスであり,その分類は,今後Galoisを研究していく上で応用が期待できる.
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