2009 Fiscal Year Annual Research Report
生体活性を示す有機-無機ハイブリッドの合成プロセスに関する研究
Project/Area Number |
09J06469
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高 美英 Nagoya University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ポリグルタミン酸 / カルボキシルメチルセルロース / アミノプロピルトリエトキシシラン / scaffold / 再生治療 / 生体親和性 / 生体吸収性 / 溶解挙動 |
Research Abstract |
骨が病気やけがで損傷を受けると、患者の生活の質は低下する。骨組織を修復するために、再生医療による骨の治療が研究されている。再生医療によって骨を修復するには、細胞、成長因子に加えて、三次元の構造を構築するために足場となる材料(Scaffold)が重要な役割を果たす。骨の再生医療に用いられるScaffoldとして、従来の人工骨の素材を用いると、骨組織との親和性や吸収性、生分解性のいずれかの機能が不十分となる。本研究では、骨の再生医療に用いるScaffold用の有機-無機ハイブリッドの合成条件の探索と生体環境でのハイブリッドの溶解挙動を調べることを目的にした。 本年度は、生分解が可能な材料を目指して、水溶性高分子を主成分に用いて、これにシラノール基と塩化カルシウムで化学的に修飾する手法を試みた。生分解が可能な材料として、カルボキシル基を持つカルボキシメチルセルロースナトリウム(sCMC)やポリグルタミン酸(PGA)を選び、アミノプロピルトリエトキ・シシラン(APTES)と塩化カルシウム(CaCl_2)水溶液で化学的に修飾し、有機-無機ハイブリッドを合成した。 これらの水和ゲルが得られる合成条件を確立するとともに、擬似体液を用いたin vitro試験で溶解挙動を評価した。APTESを利用した化学修飾で、カルシウムやケイ酸の溶出量を小さくしながら、骨と高い親和性が発現するScaffoldの合成に成功した。
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Research Products
(7 results)