2010 Fiscal Year Annual Research Report
シーン認知における潜在的な異種感覚相互作用とその脳内機序の解明
Project/Area Number |
09J06479
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 康介 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特別研究員(SPD)
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Keywords | 心理物理学 / 認知神経科学 / 異種感覚相互作用 / 知覚交替 / 時間知覚 / 感性工学 / シーン認知 |
Research Abstract |
本研究課題の遂行に当たり、(1)時間、空間など低次特徴の潜在的異種感覚相互作用(心理物理学実験)、(2)シーンの意味情報など高次特徴の異種感覚相互作用(主観評定を含む心理実験)、(3)関連する神経基盤(MEG,fMRIを用いた神経科学実験)、の3種類のテーマを設けた。(1)異種感覚情報の時空間同期について、知覚安定性、両眼視野闘争などの側面から視聴覚間の相互作用について心理物理学研究を行った。知覚的安定性の同期に関する研究成果はJournal of Vision誌にて誌上発表された。両眼視野闘争の研究については国際学会で口頭発表を行った(IMRF2011)。(2)シーン認知における異種感覚情報の間の高次特徴のリンクとして、「生物らしさ」という特徴に注目した。まず心理学的な調査研究から出発し、その後に心理物理学的実験として視覚、聴覚、触覚に対して様々な周波数で変化する刺激を呈示し、そこに感じられる生物らしさの周波数依存性、感覚間の相互作用性を検討した。この研究成果について国内学会での口頭発表を行い(HCGシンポジウム2010)、優秀発表賞を受賞した。(3)脳機能計測ではMEGに加えてfMRI研究を実施した。研究内容としてはテーマ(1)の主観的時間に関連する研究として、時間の長さの記憶という認知過程を扱った。特筆すべきこととして、類似した課題をMEGとfMRIの両方で行い、脳部位と脳活動の現在データ解析中であるが、研究成果の一部は2011年に行われる国際会議(IBRO 2011)にて発表を行う予定である。これらの研究成果は本研究課題の主題でる「シーン認知における潜在的異種感覚相互作用」を解明する上で有用な知見であり、最終年度で予定している各テーマを有機的につなげた研究の土台を得ることが出来た。
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Research Products
(11 results)
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[Presentation] The blurry heart illusion.2010
Author(s)
Takahashi, K.Niimi, R., Watanabe, K.
Organizer
6th Annual Best Illusion of the Year Contest
Place of Presentation
Philharmonic Center for the Arts, Naples, FL, USA
Year and Date
2010-05-10