2010 Fiscal Year Annual Research Report
サイトメガロウイルス中和ヒト抗体の網羅的単離と応用研究
Project/Area Number |
09J06527
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
久原 茜 (太田 茜) 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | サイトメガロウイルス / ヒトモノクローナル抗体 / 抗体医薬 / 抗ウイルス薬 |
Research Abstract |
本研究は、サイトメガロウイルス(CMV)感染症の新たな予防あるいは治療法の一つとして期待されるヒト抗体療法の製剤化を将来的な目標として、完全ヒト抗体の作製を目指すものである。方法としては、CMV既感染者の成分血由来のヒト抗体ライブラリーを用い、抗CMV抗体クローンの網羅的単離をおこなった。前年度までに、抗CMV抗体クローン14種(H01~H14)を単離し、今年度は、表面プラズモン共鳴を用いた抗原エピトープ解析および培養細胞を用いたCMV実験室株(TowneおよびAD169)に対する中和活性解析をおこなった。抗原エピトープ解析では、同じgBを認識する抗体クローンのうち、異なるエピトープを認識するクローン(H05,H09,H14)を同定した。そのうちの、H05クローンの完全ヒト化IgG抗体は、抗CMV薬であるガンシクロビル耐性株、およびガンシクロビル感受性株のいずれに対しても、中和活性効果を示した。また、CMVはcell-cell感染によって伝播することが知られていることから、既に感染している細胞から周囲の非感染細胞への感染拡大抑制効果を検討したところ、H05およびH14のIgG抗体は、顕著な抑制効果を示すことが明らかとなった。以上より、本研究で得られた抗体は、感染を防ぐ中和効果に加えて、cell-cell感染を抑制する効果も期待できることから、これらについて今後、in vivoでの効果を検討していく必要があると考えられる。
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Research Products
(2 results)